エレベーターにおけるある種のマナーについて

 今日コドモをつれて買いものに出るときに、途中からエレベーターに乗ってきた女性が1階に到着すると自分はすぐに降りずに、エレベーターの「開」のボタンを押しながら「どうぞ」とわれわれ親子を先に降ろしてくれようとしたのです。ところが僕は、さっきまで部屋で暴れていたメイの服を直してやっていたところだったので彼女の好意に応えることができず、「あ、すいませんいいですごめんなさい」とお断りしてしまったのでした。
 実は、このマンションでほかの階の住人の方と下りエレベーターに同乗することになった場合、たまたま入口側に立った人が、このようにエレベーターガール係をすすんで引きうけようとすることがたいへん多いのです。そして経験的にいうと、そういうのは女性に圧倒的に多い。というか男でそういうことをする人にはこれまで会ったことがない。なんでだろう。
 私は個人的には、いろんな人がいろんな階で乗降りする、大きなビルやデパートのエレベーターならそういう行為も意味があるけれど、うちのマンションのようにだれかと一緒に乗るほうが珍しいような小規模な施設の場合は、そんなことせずに入口に近い人からさっさと降りてしまった方が、結果として能率的だと思うのです。だからもしこの文章を読まれた中でそういうマナーの方がおられましたら、ちょっと考えてはもらえないでしょうか。
 とここまで書いて、彼女らがエレベーターガール係を引きうけるのはマナーのためなどではなく「自分があとからエレベーターを降りることで、同乗者に後ろからついてこられる危険を避けている」せいではないかという気がしてきた。そこまであからさまに危機管理的な意味はなくても、「後ろに誰かいるのはなんとなくイヤだから先を譲る」という心理が働くというのは大いにありうることだと思う。けどさー、それってつまり「自分がイヤなほうを相手に押しつける」ってことでしょ? やっぱり失礼だよ。エレベーター降りてから十数歩あるけばマンション出ちゃうんだし、そのくらいは我慢してもらいたい。第一「誰かが後ろにいるのはイヤ」とか言ってたら町あるけないじゃん。