村上龍『半島を出よ』

ちょっと思うところがあって、図書館に行って『半島を出よ (上)』『半島を出よ (下)』を借りてきて読んでみました。私は軍事方面にはとんと疎いので、この小説の状況設定や描写が的を射ているのかとんちんかんなものなのかわからなくて困りました。そこで例…

「本好き」補遺

前の日記を書いてからつらつら眺めていたら、この「100の質問」がちょっとした流行になったみたいでウレシイ(別に私のおかげではない)。面白いので他の人の回答をいろいろ読んでいます。結構あれこれ読んでいるみたいなのに「自分はそんなに読書家じゃない…

「本好きへの100の質問」

はてブを見ていたら「本好きへの百の質問に答えてみました。:Black Life. Non Sugar.」というのを見つけまして、こういう「100の質問」のたぐいってあんまり好きではないのだけれど、これはとても面白かったのでマネしてみました。元のページはこれ→本好き…

辻井喬『叙情と闘争 辻井喬+堤清二回顧録』を読む

80年代に東京で青春をすごした自分にとって、セゾングループというのは影響というかたいへん思い入れのある企業だったので、それが一世を風靡する様子やその後没落してゆくさまをながめるのはとても感慨深いものがあった。そしてその経営者の半生記ともなれ…

「かつて書かれたもっとも影響力のある100冊の本:古代から今日までの思想の歴史」リスト

「世界に影響を与えた100冊の本&文書をリスト化するとこんな感じ」という記事をGIGAZINEが出していて、読んでみたら成程と思うものや何これと首を捻るものが並んでいたのですが、なにより気持ち悪いのはその書名・著者名の表記がまちまちなことでした。邦訳…

船曳建夫『右であれ左であれ、わが祖国日本』を読んで日本の将来を考えるなど

新書だし、語り口もやわらかいのでふんふんとうなずきながら読み終わり、さて著者はどういう主張をしていたのかなと思い返そうとするとうまく説明できない。私の読解力が低いのか(たぶんそうだろう)実は著者がだいじなところを端折ってしまったのか(もし…

.ことし読んだ本

年末なので、ことし読んだ本やら映画やらをまとめてみようと思ってリストアップしてみたらまあ少ないこと。一応言い訳しておくと、読もうと思って手を出した本は山のようにあるのです。でも途中で面倒になったり関心が別のところに移ってしまったり時間切れ…

山尾美香『きょうも料理』を読む

図書館で借りて読む。 「はじめに」の部分から違和感がぬぐえず、第1章を読むうちモヤモヤがたまってゆき、第2章以降はほとんどとばし読みしてしまった。 ところがネットで検索してみるとわりに好意的なレビューが多く、貶しているものはあんまり見つからな…

「ソーシャルリーディング」あれこれ

去年の日記http://d.hatena.ne.jp/takanofumio/20121231で「読書メーターを使い始めた」と書いたとおり、しばらく使ってみていたのですが、なんかこう違和感が拭いきれなかったので、どこかべつのサービスに引っ越そうと考えたわけです。 「読書メーター」っ…

図書館で借りた本2冊

困ってるひと作者: 大野更紗出版社/メーカー: ポプラ社発売日: 2011/06/15メディア: 単行本購入: 35人 クリック: 490回この商品を含むブログ (84件) を見る2年くらい前すごく売れていた本。 いろいろな書評やらアマゾンのレビューやらブログの感想やらをみる…

『火の山―山猿記』についての覚書

火の山ー山猿記(上) (講談社文庫)作者: 津島佑子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/01/13メディア: 文庫 クリック: 5回この商品を含むブログ (35件) を見る火の山ー山猿記(下) (講談社文庫)作者: 津島佑子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/01/13メデ…

『1Q84』について、その3

2巻の巻末に「本作品には、1984年当時にはなかった語句も使われています。」という断り書きがついている。 おもうに、天吾の父親が「認知症」だと書かれているのを指しているのじゃないだろうか。認知症という言葉ができるまでは「痴呆症」とか「ボケ」とか…

『1Q84』について、続き

http://d.hatena.ne.jp/takanofumio/20120806 の続き。 ・牛河がアパートの監視をするところは、ポール・オースターの『シティ・オヴ・グラス (角川文庫)』*1の終わりの方の場面を連想する。オースターのシーンのほうが何というか徹底していて印象が強いけど…

『1Q84』読みました。

ハイクにも書いたのだけど、BOOK1とBOOK2はたまたま近所の図書館で単行本を借りることができた。ところがBOOK3は単行本も文庫もまだ百何十人待ちとかそういうレベルで、唯一すぐ借りられそうだったのが「株式会社大活字」というところが出している「大活字文…

マンガいろいろ

個人的なメモ。GIANT KILLING(1) (モーニング KC)作者: ツジトモ,綱本将也出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/04/23メディア: コミック購入: 8人 クリック: 235回この商品を含むブログ (313件) を見る放浪息子 (1) (BEAM COMIX)作者: 志村貴子出版社/メー…

さいきんの読書

奥さんとコドモらが義実家に帰省中でヒマなので、久しぶりに日記を書く。 ちょっと思うところがあり、恋愛についての小説かエッセーが読みたくなって探してみたのだけれど、これはというものが見つからない。恋愛小説だのエッセーなんてそれこそあふれるくら…

『ハイスクール1968』の感想など。

『ハイスクール1968』は私はふつうに面白かった(今ふうの言いかた)のだけれど、四方田犬彦という人は毀誉褒貶のある人で…というか最近は「毀」と「貶」がたいへん多いような気がする(←意味あってるよな)。この本も雑誌に発表されたとき、登場人物のひと…

「いける本・いけない本」vol.12

(この日記は2011年2月14日に書いております) 職場の事務所においてあった冊子。発行はトランスビュー。昨日と同様ラインアップされている書名だけメモ。 鷲尾賢也(元講談社) いける本『近世考―西鶴・近松・芭蕉・秋成』『靖国神社の祭神たち (新潮選書)…

「この本は本当にいい ABCブックフェス2010」

(この日記は2011年の2月14日に書いております) トラブりかけている客注品を調達するために都内大手書店をまわり、青山ブックセンター本店で無事見つける。ABCえらい。会計のときにカウンターにブックレットが置いてあるのを見つけたのでもらってきた。いろ…

呉智英『バカにつける薬』

(これを書いてるのはほんとは7日なんですがね) きょうヨメさんが読みおわった本を図書館にかえしにゆくので、一家でついていってついでに自分も本を借りてきた。バカにつける薬 (双葉文庫)作者: 呉智英出版社/メーカー: 双葉社発売日: 1996/07メディア: 文…

「朝日ジャーナル」(1号だけ)復活するのこと

(この項後日しるしたもの) 休みあけ。早番で出勤すると、週刊誌の棚に「朝日ジャーナル」がある。きのう発売になったらしい。週刊朝日緊急増刊 朝日ジャーナル [雑誌]出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2009/04/14メディア: 雑誌購入: 2人 クリック: 1…

『テレビだョ!全員集合―自作自演の1970年代』よんだ。

目次 序章 七〇年代テレビと自作自演(長谷正人) 第1部 七〇年代テレビをジャンル別に見る 第1章 開拓者の時代 ―七〇年代バラエティというフロンティア(太田省一) 第2章 視るものとしての歌謡曲 ―七〇年代歌番組という空間(太田省一) 第3章 ドキュメン…

辰巳渚氏の

こういう本が出ていたことを、こないだ自分の店の棚でみてはじめて知った(恥)。日本人の新作法―シンプルで、失礼のないおつきあい作者: 辰巳渚出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2005/04メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る『新装・増補版 「捨…

借りた本。

というわけで図書館に行き、黒沢明「一作一生」全三十作品作者: 都築政昭出版社/メーカー: 講談社発売日: 1998/12メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る黒沢明―追悼特集 (KAWADE夢ムック)出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 1998/12メディア…

『残虐記』『グロテスク』『柔らかな頬』感想

たてつづけに読了。 自分はここのところ小説を読むのが下手になっていて、それは「小説というジャンルの自明性」を信じることができなくなってしまったからなのだけれど、そのことをちゃんと説明しようとするととても2、3行ですむ話ではなくなってしまうので…

斎藤美奈子『冠婚葬祭のひみつ』(岩波新書)をよんだ。

きょう図書館に行って『冠婚葬祭のひみつ (岩波新書)』を借りてきた。おもしろい。 岩波新書の赤版の新シリーズのラインアップとしてこの本のタイトルをみたとき、「斎藤美奈子もヌルい本書くなあ」なんておもってしまったのだった。たんに「虚礼なんてくだ…

エクスメディア倒産だそうで

IT書籍のエクスメディア倒産――負債は11億:RBB TODAY (ブロードバンド情報サイト) 2007/10/31 エクスメディアというと、営業がまわってくるのが年1回という出版社なのだった。「このたび担当が替わりまして私が担当することになりましたので、これから月イチ…

『育育児典』入荷。

15冊も来た(大丈夫なのか・・・)。 著者は毛利子来と山田真。『ち・お』ですなこれじゃ。 しかし岩波は、もう『定本育児の百科』重版しないつもりなのかな。

幻冬舎のこと。

あっちからすれば、小売風情が生意気なとしか思われないだろうけど、個人的に幻冬舎という出版社があまり好きではない。 昔ながらの「時間をかけてていねいに作った本を長く売っていく」というあり方を真っ向から否定したような会社の方針が、好きになれない…

成績のよい子の親は○○だ?

『格差が遺伝する! ~子どもの下流化を防ぐには~ (宝島社新書)』目次より 第一章 子どもの成績は親の経済力に比例する 父親の所得が高いと子どもの成績はよい 貯蓄と子どもの成績も比例する 父親の所得が高いほど塾に通い、中学受験する子どもが多い 学歴より…