幻冬舎のこと。

 あっちからすれば、小売風情が生意気なとしか思われないだろうけど、個人的に幻冬舎という出版社があまり好きではない。
 昔ながらの「時間をかけてていねいに作った本を長く売っていく」というあり方を真っ向から否定したような会社の方針が、好きになれないのである。
 もちろん、そういう出版社もあってよいとは思うし、そういう姿勢を徹底するのは潔いし、それで実際に商品が受け入れられているのだから特段文句を言う必要もない。ただ僕が、個人的にあんまり好かんなあというだけ。
 幻冬舎の販売って、電注すると九割方「品切、重版検討中です」と返事するのだ。要するに既刊の在庫は基本的に持たないってこと。そのくせ検討中のはずのその本が、1週間後に新刊ラインでどかっと入ってくることもよくある。
 つまり、「ウチは、書店や読者の注文に応じて刷るんじゃなくて、ウチが売ると決めた本を売ってもらえりゃいいんだ」というのが基本的な姿勢なんだろう。ちょっと前なら『ハッピー・スピリット 紀香魂』、いまだと『反転―闇社会の守護神と呼ばれて』がそれにあたるんだろう。
 そういう売り方って、もともと書籍ではなく雑誌のものだったはずだ。要するに幻冬舎ん本って雑誌なんだ。書籍のほうですでにそういうことやってるから幻冬舎の雑誌(「papyrus」とか「GOETE」とか)がなかなかうまくいかないのだ、というのはいま思いついた仮説である。



(後日追記)
これは下書き状態のまま放置してあった書きかけの文章。このあとどう続けるつもりだったのか、いまとなってはわからない。幻冬舎となんかあったんだっけかな? 客注品が品切だったとか。