『時をかける少女』をみた

 というわけで、先週放映された『時をかける少女』を見ることができた。いや、評判どおりたいへん結構なお手前でございました。
 あちこちの感想を見てまわっていると「主人公が棒読み」みたいな意見をみかけたけれど、この映画にかんしては、メインの役者が本職の声優でないことがプラスになってるなあとおもった。
 プロパーの声優で固めてしまったら、たぶん観客の期待の範囲内でおさまる芝居しか見られなかっただろうし、それはそれで面白いかもしれないが、この映画のもつ初々しさは出なかったろう。ほとんど素人に近い俳優をうまくつかうことによってはじめて「普通っぽい」高校生のドラマを描くことができたんではないかしら。もちろん、使い方を間違うと妻夫木聡竹内結子が吹替えをやった『タイタニック』みたいな悲惨な話になってしまうから注意しなきゃいけないのは当然だけど、特に大仰な芝居を必要としないこの映画の場合そういう心配をする必要もそんなになかった気がする。
 主役の仲里依紗さんにたいへん好感をもてたのは言わずもがなだが、おばさんになった芳山和子を演った原沙知絵がとてもよかったのは意外でした(失礼)。
 というわけで最近「やーねー、たいむうぇいつふぉーのーわんよー」というのが口癖なのだった。おじさんなのに。