レモン忌

asahi.com(朝日新聞社):智恵子レモン忌 「追悼」やめ「追福」?いや「追善」に


というニュースを見かけた。「檸檬忌」が梶井基次郎で、「レモン忌」は高村智恵子なのね。


文学忌 - Wikipedia


 もともと号を持ってる人はそれに「忌」の字をつけただけなのでわかりやすい。でも芥川龍之介は「我鬼」と号したくせに命日は「河童忌」である。
 号ではなくただの名前がついてるのは「康成忌」「節忌」(長塚節)「かの子忌」「寛忌」(菊池寛)「茂吉忌」など(節とか寛って号じゃないよな)。
 作品をもとにつけられてるのが「糸瓜忌」(子規忌の別名)「河童忌」「桜桃忌」「菜の花忌」それに「檸檬忌」「レモン忌」など。こういうのがいちばん似非インテリ心をくすぐられる。
憂国忌」とか「連翹忌」(高村光太郎レンギョウという花を好んだのだそう)みたいに故事にちなんでいるものとか。
 「一一一忌」(山本有三、1月11日だから)「アンドロメダ忌」(埴谷雄高)なんつーのもあった。なにかふかい意味があるのかもしれないけど、通りすがりにはネタにしか見えない。
 遠藤周作は「孤狸庵山人」と称したけれど、命日を「孤狸忌」とはいわないのかな。キリスト者だとそういうのはないんだろうか。北杜夫が死んだら「マンボウ忌」になるんだろうなあ。
 手許の歳時記をしらべてみると、「人麿忌」(旧暦3月18日)というのもあるのだけど、ここまで古いとわざわざその日にかぎって記念する意味もよくわからん。そういうもんなのか。