ムラカミハルキをめぐるあれやこれや

「東浩紀が村上春樹を」http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20090616
「困ったものだ」http://d.hatena.ne.jp/hazuma/20090617/1245167190

 ちょっと目をはなしたすきに小谷野氏が追記しておられたので話がややこしくなってしまったのだけれど、ひとことだけ。
 小谷野氏の追記にもあるけれど、「主流の批評家は村上の存在を無視」ということをたまに言う人がいるのだがそうなのか? まえの店で文芸書を担当していたとき、ためしに「村上春樹関連書棚」を企画してリストアップしてみたところ、有名どころから自費出版すれすれのものまでわらわら出てきてびっくりしたおぼえがある。無視されてるどころか、いまもっとも論じられている小説家と言ってもよいのではないか。思うに「存在を無視されている」「評価が不当である」というのは、村上ファンの「こうであってほしい」という願望なのではないかしら。
 それから「村上春樹を批判しようとしても、マスコミが載せてくれない」なんてことが、ほんとにあるものなのかなあ。

 この本が文庫になった。後書めいた文章のなかでちらっと触れられているのだが、アルフレッド・バーンバウムがこのシンポジウムを辞退したというのはどういう事情があったのか、ちょっと気になる。原著出版時の感想→http://d.hatena.ne.jp/takanofumio/20061102/p1