1月にみた映画

ボディガード スペシャル・エディション [DVD]

ボディガード スペシャル・エディション [DVD]

再見。これは非常によくできたホイットニー・ヒューストンのPVだというのが私の持論であります(亡くなったのはとても残念)。ケヴィン・コスナーは普通にかっこいい。今の仕事でずっと立って待機する時間帯があるのだけど、コスナーの真似をしてみようと思う。足を肩幅にひらき両手を前に組んで立ち、顎をひいて、周囲を見回すときも顔を動かさず目だけで見る、そういう立ち方。

300〈スリーハンドレッド〉 [DVD]

300〈スリーハンドレッド〉 [DVD]

初見。楽しかった。アメリカにもケレンってあるんだなあと思った。原作はマンガ(グラフィック・ノベル)なんですね。ひとつだけ注文をつけさせていただくと、エフィアルテスというせむしの男がスパルタ軍に志願するもその障害のせいで仲間に入れてもらえず、その後クセルクセスから金と女をもらってペルシア軍に寝返るのだけど、この場合金と女は不要ですよね。スパルタに入ろうとして果たせずかわいさ余って憎さ百倍で相手方につくほうがドラマチックだと思う。マハーバーラタで、ビシュマに求婚して断られたせいで今度は彼を殺すという誓いをたててしまうアンバーみたいに。いま思わず例えにマハーバーラタの挿話を使ってしまったけど、この映画と同じテイストで「マハーバーラタ」も映画化してほしいなあと思ったり。
あと特に根拠はないんですが、紀里谷和明監督ってもしかするとこういう感じの映画が作りたいんじゃないかなあと思った。

カリスマ [DVD]

カリスマ [DVD]

初見。最近はなんだか映画の見方がたいへんへたくそになっている。この映画も、冒頭におかれた人質事件のエピソードの意味が、見終わったあとにいろんなレビューの文章を読むまでわからなかった。情けない。役所広司風吹ジュン洞口依子がいいのはもちろんなんですが、なんといってもよくわからん作業員の6人がかっこいい。それに比べると、木を守る青年の池内博之さんはなんかいまいちだなあという感じがしました(あいまいな感想)。映画全体としては『CURE』の方が好き。

アイランド 特別版 [DVD]

アイランド 特別版 [DVD]

まあまあ面白かったんですが、「秘密を知って逃げる→逃げた先で武器などを準備する→もう一度戻って敵をやっつけて大団円」という構成だと、どうしても逃げたあとのあたりでだれてしまう感じ。なのでそこにもうひと工夫あってほしかった。
映画のスタイルは全然ちがうのだけど『カプリコン・1』の場合「秘密を知ってしまい殺されそうになって逃げる→元の世界に戻って来て大団円」という非常にシンプルな構造なのが勝利の鍵なのだなあと思った。この場合「生きて戻ってくる」だけでワルモノの企みが崩壊してしまうわけで、そのへんの作り方も実にうまい。ピーター・ハイアムズえらい。

初見(恥)。だいぶ前にNHKBSで黒澤明をまとめて放映したときに録画してあったもの。
七人の侍』を見たとき「ギリシャ悲劇みたいだなあ」と思い『羅生門』を見てやっぱり「演劇的だなあ」と思ったのだけど、『用心棒』はまるでシェイクスピアのようであった。いや、教養がないからどこがとははっきり言えないのだけど、東野英治郎の酒屋の場面では常に舞台(画面)の外から聞こえてくる音との緊張関係があったりするところとか、あと西村晃加藤武の場面はなんだかローゼンクランツとギルデンスターンみたいではない?
黒澤の映画ってもしかすると思ってた以上に演劇的かもしれない。NHKでやったやつの録画はまだ山のように残っているので、ちゃんと見ないと。

ローマの休日 [DVD]

ローマの休日 [DVD]

再見。TVでやった吹替え版を録画しといたもの。ヘプバーンは池田昌子グレゴリー・ペック城達也城達也かっこいい。
タマフル」の衣裳特集で伊賀大介氏が、「ヘプバーンの心情に応じて衣裳がだんだん変化するのが見どころである」という話をしていたのでそのへん注意しながら見ていたのだけど、ヘプバーンの着ているブラウスは最初のものと腕まくりをするときのものと、違うのを使っているのね。いままで全然気がつかなかった。すごいなあ(衣裳デザインは巨匠イーディス・ヘッドである)。

アン王女「わたくしは、国家の友情を信じます。個人と個人の友情を信じて疑わないように」
ジョー「私の勤める新聞社を代表し申し上げますが、王女の信念は裏切られないと、かたくかたく信じております」
アン「その言葉を伺って、たいへんうれしく思います」

かーっ、たまらん!


マグノリア [DVD]

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初見。結構な長尺なのにだれないでほとんど一気に見てしまった。ただこれも「カリスマ」のときと同じように、初めの方で父親(クイズ番組の司会者)と口論する女性が、あとから警官の訪問をうけてデートの約束をする女性と同一人物だということがわからなかった。困ったもんである。またクライマックスでいきなり超常現象が発生するのにたまげたけど、あれは聖書に由来があるのね。教養がないとそういうこともわからなくて困る。
「fuck」が口癖の、死にかけてる大物プロデューサーの奥さんが『トゥモロー・ワールド』で殺されちゃう女の人だった(ジュリアン・ムーア)。私この人好きかも。また、トム・クルーズがこんなに芝居が巧いとは思わなかった。フィリップ・シーモア・ホフマンは最近亡くなってしまった。『ER』のモーゲンスタン部長がダメ男を演じていてちょっと不思議。
ただ個々の役者さんやそのエピソードよりも、エイミー・マンの歌のほうが印象が強いのはどうしようもないことなのでしょうか(貶しているわけではない)。終盤主要な登場人物が別々の場所で"Wise Up"を歌う場面はそこらへんのへんなミュージカルよりもミュージカル的だと思う。
黒人の少年が警官にラップを歌ってみせて「わかってくれない」とかボヤくけど、あれどういう意味だったんだろう?

【初回生産限定】雨に唄えば 製作60周年記念リマスター版 [Blu-ray]

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再見。ただ昔何十回も見たのはTVの吹替え版だったので、ジーン・ケリーデビー・レイノルズが英語をしゃべってるのは新鮮。あらためてあの吹替えは傑作だったなあと思う。リナの向井真理子とかスタジオの社長の中村正とかね。