「トライ&チャレンジふれあい月間」

心の東京革命
「『心の東京革命』教育推進プラン」の概要

子ども一人ひとりが自らすすんで奉仕・体験活動を行うことによって、社会の一員としての自覚を高め、健全で豊かな心をはぐくむことを目指して毎年11月を『トライ&チャレンジふれあい月間』として実施しています。

取り組みの活動内容例
奉仕活動
(1) 地域クリーン作戦(遊歩道・緑道・公園等の地域清掃)
(2) ポイ捨て防止街頭キャンペーン(ポスターづくり、呼びかけ等)

(4) わが町安全宣言(地域の防災・交通安全ポスターづくり等)

家族や地域の人びとと行う活動や体験
(1) めざせ、子どもマイスター(地域の伝統工業に触れる体験)

(5) あいさつっていいな(家族、地域の人びととあいさつする活動)

(15)タイムマシーンでGO(保護者の子どものころの話をきく活動)

その他
(1) 器用さに挑戦(小刀の使い方や紐の結び方、竹トンボづくり等を学ぶ体験)
(2) なんでもチャンピオン(竹馬・けん玉・一輪車等、自分ことを決め、練習する)でがんばりたい

 東京都教育委員会のウェブページと、サツキが学校からもらってきたプリントから引用してみました。
 一所懸命、虚心坦懐に読んでみたのだけれど、意味がわからない。ようするに、学校主導で勉強以外の活動をしようということらしいが、具体的に誰が何をすればよいのか判然としない。「地域クリーン作戦」とやらはまあ空いた時間にゴミ拾いでもすればよいのかなという気もするが、「ポイ捨て防止街頭キャンペーン」の場合、勝手に防災や交通安全のポスターを描いて街中に貼ってまわったりしてもよいのだろうか? 「あいさつっていいな」ということに異を唱えるつもりはないが、『トライ&チャレンジふれあい月間』の活動として例に挙げるのは変じゃないか(11月だけ挨拶していればいいのか、というふうに誤読できてしまう)。「なんでもチャンピオンでがんばりたい」なぞと大人から言われなくても、サツキはいま剣玉に夢中である。
 違和感のひとつは、いうまでもなく、全体にただよう懐古調・保守反動臭だけれど(「地域の伝統工芸」だの「保護者のこどものころの話」だの。「なんでもチャンピオン」でNINTENDO DSのゲームをがんばりたいと言ったらまず間違いなく怒られるだろう)、この企画になにやらどこかの玄人の手が入っているような匂いがあるのもその一因である。引用したそれぞれのキャッチフレーズが、どうも広告くさいというか、妙にすれた言葉づかいなのが気になるのだ。何が言いたいかというと、つまりこれはどっかの広告代理店の作ったものにちがいない、ということである。
 マンションなんかの広告を見ているとよく思うことだけれど、本当は「この商品はこんなに豪華でこんなに高価いので、購入すると周囲から羨ましがられますよ!」みたいなことが言いたいのに、あからさまにそう言ってしまうこともできないので、どうしてもコトバがもってまわったような美辞麗句ばかりになってしまい、そのウラに上のようなホンネが透けてみえるということがある。この「トライ&チャレンジ」とやらも、主催者に明確なイメージがなくとにかく奉仕めいた・地域密着くさい・復古っぽいことをコドモにやらせたいという趣旨だけがあり、請け負った業者がそれっぽく企画書を書いてみましたということなんだろう。まあ学校のほうもプリントを配っただけで、これをもとにどうこうとは考えてはいないようで、連絡帳に「意図がわからない」と書いたら担任の先生から「できることをやってみよう、ということです」と実にやる気のない返事がかえってきた。現場レベルではこんなもんなのだ。
 しかし、こういうことにそれなりの額の税金が使われてるんだろうと思うと、なんか怒るというより脱力してしまう感じ。なんつうか、もっと、こう、ないのか、なんか?(←混乱している)