2/28・・・きょうのお客さん

 2月も今日で終わりである。
 棚にあった阿部謹也の本をごっそりカウンターにもってきたおじさんのお客さん。「いっぱいあって嬉しいよ」と言ってくれる。
「でもこの人の本なんてそんなに売れる?」
「えーと、そばに大学があるんで、そこの学生さんが・・・」
「いや、あそこの学生はこんな本読まない。オレOBだからよく知ってるんだ。読まないよ」
「え、あ、そうですか」
「オレもこの年になってやっとすこしはモノがわかってきたような気がするんだけど、そしたら今度は本読むヒマがないんだよな、ははは」
「そ、そういうもんですかね」
 今日という日にこういうお客さんに来てもらうことができて、とても嬉しかったです。

ハーメルンの笛吹き男―伝説とその世界 (ちくま文庫)

ハーメルンの笛吹き男―伝説とその世界 (ちくま文庫)