いまさら森進一問題

「おふくろさん」のご利用について
 大晦日蕎麦屋でたまたま聴いた歌が大騒ぎである。別にちゃんと聴いていたわけではないので、前奏の部分に付け足されたという歌詞があったかどうかなんて覚えてはいないのだが。
 この歌、僕の子どものころの歌だけれど、昔からこれを聞くたびになんだか頭の中がこんがらかる感じがしてあまり好きではなかった。何というか歌詞がとっちらかっているような気がするのだ。「空を見上げりゃ空にある」のはおふくろさんなわけでしょ? なら「雨の降る日」はおふくろさんが泣いているとかそういう話になるのが普通だと思うのだが、こんどはおふくろさんは「傘にな」ってしまっていて、いつのまにか立ち位置を移動してしまっているようなのだ。そんで「おまえもいつかは世の中の傘になれよ」なんて思いつきみたいなことを言い出したり、「教えてくれたあなたの真実」っていう言葉遣いもなんだか変じゃないでしょうか。
 ケチつけついでにいうと、同じく子どものころリアルタイムで見ていた『レインボーマン』『ダイヤモンド・アイ』『コンドールマン』はどれもあんまり好きじゃなかった(さすがに『月光仮面』は知らない)。ほかの変身ヒーローモノにくらべて泥臭かったり妙な宗教臭があったりしたし、主人公の俳優の目がイッちゃってるかんじなのが気味悪かったのだ。のちに原作者がまあそういう人だったというのを知って納得はしたけれど、子どもの頃に感じた薄気味悪さは残ったままだ。そんなにイヤなら見なきゃいいんだけれど、なんだか当時は「子供向けの番組はちゃんと見なきゃダメ」という変な義務感をもってたんです、私。
 という話。