旧友交歓(したわけではないけど)

 このあいだネットをふらふら散策していて、子どものころの友だちのブログを見つけてしまった。もう20年以上連絡をとっていないのだけれど、地元で個人の事務所を経営しているらしい。すごい。ブログの内容は、今の日本の政治に対する異議申立てがほとんどなのだけど、どうも陰謀論風というか、世界を「邪悪なエスタブリッシュメントVS純朴な大衆」という単純な対立にしすぎているきらいがあってちょっと困った(「きっこの日記」とか植草一秀のブログがお薦めのリンクにあげられてたりする)。こういうのはなんて呼べばよいのだろう。左翼小児病、というのは違うよなたしか。
 彼の陰謀論的世界観を哂うのはたやすいことだけれど、たとえば直接本人に会ったときに、私は彼にむかってどんな言葉をなげることができるだろうかとしみじみ考え込んでしまった。政権与党にたいする不満や、改憲には抵抗しなくてはならないことや、いまのマスコミ報道のひどさやらなんやらかんやら、政治的スタンスは自分もだいたいおなじである。けれどそれらは、彼がブログで縷縷うったえているように「悪徳政治家」とか「売上至上主義の大企業」とか「堕落したジャーナリズム」だけが悪いせいだと考えてしまうのは短絡にすぎると思うのだが、私がそれに代わる説明ができないのも事実なのだ。