マイバッグについて店員からひとこと

マイバッグで万引き急増…持ち込み禁止スーパーも : 北海道発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

の件。
 書店ではたらいている人間として、店内のお客様が手にもっている本がこれから買おうとしているものなのか、すでに買ったものなのか、あるいはもともともってこられたものなのかは、ぜひ明快にわかっておきたいという、これは店員としての本能のようなものである(おおげさ)。なので基本的に会計をすませた商品はフクロに入れるか、カバーをするか、シールを貼るかのどれかを選択することになる。たいていのお客様は納得してくれるのだけれど、たまにいるんだどれもやだっていう人。「本にシールをじかに貼るなんてとんでもない」なんて。そういうかたはフクロやカバーを拒否することもまったき善だという自信に満ちておられたりするので、こちらがちょっと逡巡したりすると「ゴミを減らそうとすることのどこが悪いのか!」と抗議されてしまったりする。
 めんどい。
 ひるがえって、わたしがたまに買出しにゆく某大型スーパーでは、マイバッグ持参が前提でレジ袋は有料、かわりに商品の入っていた段ボール箱が大量においてあって使い放題である。またその店では入口と出口が完全に分けられており、

入口→売場→レジ→サッカー台→出口

という順路が義務づけられている(何も買わずに店を出る場合はレジ横の通路を使わなければ出られない)。あるいはまた売場内での買物カゴは黒、レジをとおったあとのカゴは赤と区別されているので、サッカー台で黒いカゴをもっていたら見咎められるしくみになっている。
 もともとこのスーパーはエコだのなんだのというよりも、徹底的に経費を節減してそのぶん商品をディスカウントしようという思想のもとにこのような店づくりになったらしいのだけれど、やるんだったらこのくらいきちんとしたシステムを構築しないと現場は混乱するだけだ(ついでに言うとその経費節減思想は社員教育にまでおよんでいて、店員さんは非常に愛想が悪く、レジ袋は有料とか知らないお客さんが邪険にされている光景をよくみる。教育にコストなんかかけない、というわけだ。そしてわたしは、そのような姿勢のほうが、かえって個人主義的で好ましくおもえるのである)。
 結論としては、店側はたんなるイメージ向上のためのマイバッグ推奨はやめといたほうがよろしい。お客さんは、マイバッグつかってるくらいで威張るな。ということでございます。