ある種の報道文体について

 日本の国民的人気アニメ『ドラえもん』に、ハリウッドが生んだ不死身のマシーン、ターミネーターが登場することが10日、わかった。ドラえもんには過去、さまざまなゲストが特別出演してきたが、ハリウッドの人気キャラクターが登場するのは初めて。6月26日放送(午後7時〜)の1時間スペシャル『ドラえもん1時間“お26(ふろ)スペシャル”〜のび太を愛した美少女〜』で、夢の共演が実現する。


ターミネーターが『ドラえもん』に出演!日米夢のロボット対決が実現 ニュース-ORICON STYLE-

 この記事の内容にはまったく興味はない。ひっかかるのは新聞独特のこの「10日、わかった」という文体。わかった、って、誰がわかったの? なんで主語を省くのさ。ひどいときには「10日までにわかった」とか書いてある場合もあって、自分がわかった日にちもはっきりしないのかと。
 これはようするにテレビ局だかどこからだか、「ドラえもんでこういうことをやるよ」というプレスリリースかなんかが出てそれを記事にしてるだけなんだろうけど、それなら「〜という発表があった」と書きゃいいのだ。べつにまずいことないでしょ。
 メディアリテラシーってひらたく言うと「記事のコノテーションをよみとる」ってことじゃないかと思うけど(ひらたくない)、読者がリテラシーを身につけることを可とするのならば、こういうあいまいな書き方はやめたほうがいいと思う。たとえばただの「事故があってだれそれが怪我した」みたいな記事でも、どこまでが警察署の発表でどこからが記者の取材なのかちゃんとわかるように書くべきではないか。まあそういうの徹底すると、記者クラブでの発表をただたれながしてるだけというのがバレバレになっちゃうから、すすんでそんなことするわけないだろうけどね(参考→『「朝日」ともあろうものが。 (河出文庫)』)。
 それと、うちは朝TVは「やじうまプラス」がついているのだけれど(ほかのワイドショーでも同じだと思うけど)、芸能ニュースのコーナーで「××の新しいCMがとどきました」とか言って宣伝をまるごと流すのって、アレなんなんだ。いったいTVの人はもっとマジメにやるべきだと、いつもおもう。