無職な日々・日々の生活

失業中は、ハローワーク以外行かなければならない所というのがないわけで、もっぱら家事をやっていた。といっても掃除と夕飯の支度くらいである(洗濯はもともと自分の分は自分でやっていて、その他をヨメさんがやっていたのでそれには手を出さなかった)。夕飯の支度も週2、3日はヨメさんやコドモにまかせていて一週間ずーっと担当していたわけでもないので、『主夫と生活 (女性文庫)』みたいな専業主夫という感じではなかった。

平日は、朝みんなが仕事や学校に行ったあとはネコとふたりきりになる。布団をあげて掃除機をかけ、ながしに残っている食器を洗うと11時くらい(「あさイチ」とか見ながらやっているから遅い)。夕べの残り物とかで朝ごはんを食べているうちにヨメさんが昼休みで帰ってくる。午後は昼寝をしたり図書館や公園に行ってみたりするが、3時すぎには次女が小学校から帰ってくるのでその時間には家で起きているようにしていた。4時半ごろヨメと長女が帰ってくる。そうしたら夕飯の支度にとりかかり、6時に夕飯。テレビを見たりビールを飲んだりして9時になったら布団をしいて寝る。

という日々であった。

とにかく収入がないのでお金を使うようなことができない。またうちはなるべく食材をまとめ買いしてそのストックの範囲で毎日の献立を組み立てたりと、自由がきかず行動が制限される場面がおおくて、それが大変といえば大変だった。けれど不思議と、なかなか仕事がみつからなくてあせるとか、やることがなくてヒマを持て余すという感じにはならなかった((あとから聞くとヨメさんは「仕事みつからない→生活が荒れる→コドモに当たる→離婚→実家に帰る」というシナリオを描いていたらしい。なんだそれ)。そういえば大学5年、学校へ行く気をすっかりなくして特定の授業以外サボりまくっていたときも、アパートでひとりで何をするともなく生活していたのを思い出す。私は無業者という形態にわりと向いてるんじゃないかと思う。まあ向いてるっつったってずっとそんなわけにはいかないんですが。

今にして思えば、せっかく時間があったんだから、模様替えをするとか、テッテ的に片付けるとか、壊れたところを修繕するとか、すりゃあよかったなー。なぜかそういう気にはならなかったんだよなー。

とにかく、社会人になって初めての長いながいお休みは、このように過ぎていったのだが……(つづく)。